第277回物質科学セミナー 2026 年 6 月 9 日 (火) 青山 和司氏「周期外力下の CDW ダイナミクスと時空間パターン形成」

題名

周期外力下の CDW ダイナミクスと時空間パターン形成

講師

青山 和司氏(広島大学 先進理工系科学研究科/総合科学部)

日時

2026 年6 月 9 日 (火) 16:20 – 17:50

場所

総合科学部 K306

講演要旨

NbSe3 など低次元導体においては、しばしば低温で電荷密度波 (ChargeDensity Wave:CDW) と呼ばれる電子の凝縮体が形成される。CDWは物質中の不純物にピン止めされているが、電場印加により駆動され、横滑り(スライディング)運動することで電流を運ぶ。これは、静止摩擦力を越える外力によって物体が駆動される摩擦の物理に類似した非平衡現象である。最近では、電場に加え表面弾性波を照射する実験も行われるようになり [1]、周期的に時間変動する外力下の CDW ダイナミクスに興味が持たれている。本発表では、表面弾性波を模した理論モデルにおいて、周期外力への分数同期により現れる、シャピロステップと呼ばれる電流-電圧特性の階段構造(悪魔の階段)[2] について議論する。

また、上記の理論モデルの非線形動力学系としての側面にも目を向け、一見すると自明なゼロ電場下の非スライディング領域の性質についても議論する。周期外力によりパラメトリック共鳴が起こるような状況では、空間構造は一様ではなくある種の秩序形成が自発的に生じる。こうした時間と空間が絡み合う時空間パターンについて最近の結果 [3] を紹介し、今後の展望を述べる。
 [1] K. Fujiwara, Y. Niimi et al., Phys. Rev. Lett. 135, 256304 (2025).
 [2] Y. Funami and K. Aoyama, Phys. Rev. B 108, L100508 (2023).
 [3] Y. Funami and K. Aoyama, submitted

理工学融合共同演習の認定科目です

世話人:梶原 行夫 (内 6555)