第275回物質科学セミナー 2025 年 9 月 26 日 (金) 薮田 久人氏「放射光 X 線および SQUID を用いたBaTiO3 系非鉛圧電材料の物性評価と圧電特性」

題名

放射光 X 線および SQUID を用いたBaTiO3 系非鉛圧電材料の物性評価と圧電特性

講師

薮田 久人氏(九州大学大学院システム情報科学研究院 光・量子プロセス研究開発センター)

日時

2025 年 9 月 26 日 (金) 14:30 – 16:00

場所

総合科学部 J303

講演要旨

アクチュエーターなどに用いられる圧電材料には PZT などの有害で環境負荷の高い鉛系の材料が専ら使用されている。鉛を使用しない非鉛系の圧電材料を鉛系圧電材料の代替として用いる場合には、添加物等を工夫することにより、要求される特性を鉛系圧電材料のものに近づける必要がある。そこで、よく知られている非鉛圧電材料である BaTiO3 に種々の添加物を加えることにより、圧電アクチュエータ用の非鉛圧電セラミックスの開発を実施した。BaTiO3 系非鉛圧電セラミックスの圧電特性は 0.1%オーダーの添加元素により様々に変化した。その変化の起源を探るために放射光 X線や SQUID を用いて微小な物性変化を捉え、系への微小量元素添加が特性変化にどのように影響するかを考察したので報告する。また、高い圧電性能が期待される非鉛圧電材料の固溶体単結晶の作製に成功し、その構造についての研究を進めており、その途中経過も示す予定である。時間があれば、現在の研究テーマであるエキシマレーザー深紫外光を用いた機能性材料の表面改質についても簡単に紹介したい。

理工学融合共同演習の認定科目です

世話人:梶原 行夫 (内 6555)