第273回物質科学セミナー 2025 年 8 月 22 日 (金) 中平 夕貴氏「放射光を用いたその場観察による材料探索」

題名

放射光を用いたその場観察による材料探索

講師

中平 夕貴氏(広島大学 先進理工系科学研究科/総合科学部)

日時

2025 年 8 月 22 日 (金) 16:20 – 17:50

場所

総合科学部 J304

講演要旨

X 線回折は物質の結晶構造およびその変化を観測する基本的な手法の一つであるが、放射光を用いることにより、効率的な材料探索が可能となる。放射光は光源としての優れた特性(高輝度、平行性、白色、偏光性、パルス光)を有している。実験室系粉末 X 線回折装置では 1 回の測定に通常 30分程度の時間が必要となるが、放射光を用いると精密な構造解析に耐えうるデータが 5 分程度で得られる。格子定数変化の観測に限れば、1 測定点あたりの時間は数秒で十分である。試料環境を操作しながら測定を行うことにより、各種相転移や反応中の物質の構造情報をその場で得ることが可能となる。講演者は放射光 X 線回折を主な手法として様々な材料について構造変化を観測し、物性研究および材料探索を実施してきた。本セミナーでは、強誘電体の構造相転移の観測や高圧下における水素化物探索についての研究例を紹介する。

理工学融合共同演習の認定科目です

世話人:梶原 行夫 (内 6555)